歯周病は、以前は「歯槽膿漏」といわれていた病気です。 30代の方でも、程度の差こそあれ大半の方がかかっているといわれています。 痛みや自覚症状が出てくるのが遅いため自分では気づきにくく、歯周病を主訴に来院される患者さんのほとんどは、かなり進行しており手遅れで歯を抜かなければならないこともよくあります。 歯周病もむし歯の次に歯を失う大きな原因の一つです。 特に、40歳あたりから歯周病で歯を失う割合が高くなっています。 歯ぐきがはれたり、歯が動くときは、歯周病になってから長い時間がたっていることが多いため、治療にも時間がかかります。 当歯科医院では、歯周病が進行しそうな患者さんには、ご自身の自覚のない場合でも、あらかじめ歯周病についてご説明するように心がけております。
歯周病チェック
以下のことが思い当たれば、歯周病(歯肉炎)の可能性があります。
- 歯磨きの時、歯ぐきから血が出ることがある。リンゴなどをかじったときに歯ぐきから血が出る。
- 朝起きると、口の中がネバネバした感じがする。
- 口臭がすると言われたことがある。
- 歯ぐきが赤く腫れたり、痛むことがある。
- 冷たいものを飲むと、むし歯はなさそうなのに歯がしみることがある。
- 鏡で歯をみると、以前よりも歯が長くなったように感じる。
- 歯と歯の間に、よく食べかすがつまる。
- 歯がぐらぐら動く。
- 歯ぐきが、腫れたり、ウミがでることがある。
これらのことが、思い当たる場合は歯医者さんで検査をしてもらいましょう。
歯周病の検査とは?
歯周病の検査とは、いったいどんなことをするのでしょうか?
歯周ポケットの測定 歯と歯ぐきの境目には、歯周ポケットと言われる溝(すきま)があります。この、溝の深さを測ることで歯周病の一つの目安になります。 歯の動揺度 歯が、前後・左右・上下にどれくらい動くか。 出血点 歯周ポケットの測定の時、歯ぐきから血が出るかどうか。 歯ぐきの炎症の目安です。 レントゲン撮影 歯のレントゲンを撮って、歯を支えている骨の状態を知ることができます。 歯磨きの状態 歯磨きの状態が、歯周病の今後を左右します。きちんと磨ける(磨いていると、磨けていることは違います。)ようになりましょう。 その他 その他、必要に応じて、お口の中の写真を撮ったり、歯の型をとってかみ合わせを調べたり、歯と歯の隙間はどれくらいあるか・・・etc.
歯周病は、歯と歯ぐきの境目に、歯垢(プラーク)や歯石がたまることから始まります。 この、歯垢(プラーク)などは、食べかすなどではなく、細菌の塊(バイオフィルム)です。それらが、残っているため歯周病になり、進行していきます。
そして、歯を支えている骨をとかしていき、最後には歯がグラグラになって抜け落ちてしまいます。
では、どういう治療をするのでしょうか?
@ 歯肉炎、初期の歯周病の場合
正しいブラッシングを練習してできるようになり、歯垢(プラーク)、歯石をとります。
A 中程度〜重度の歯周病の場合
@に加えて、悪くなった歯ぐきをとって治療することがあります。また、歯のぐらつきが残っている時は、歯をほかの歯とくっつけたり、特殊な膜を使って骨を作る治療もあります。(全ての場合でできるものではありません。) しかし、どうしても抜かざるを得ないこともあります。
さらに大切なことは、歯周病は慢性病です。治療が終わったからといって安心してはいけません。また、そのままにしておくと、歯周病は進行してしまいます。治療後の定期的な管理・検診が重要です。